青年たちが結成した団体「苑裡掀海風」は、地元出身の音楽家――郭芝苑の旧居の保存運動を推進し、大衆の力を借りて郭芝苑の存在を改めて喚起しました。「苑裡掀海風」は郭芝苑音楽協進会と連携し、物品の点検、調査、登録からコンテクストの再構成に至るまで、すべて過程において市民の参加を呼びかけました。まずは大量の物品の中から、郭芝苑と苑裡鎮(苗栗県)の歴史を紐解いていきます。ワークショップやフォーラムなどの育成イベントを通して、人々に学芸員さながらの知識を身につけてもらい、フィールドに出て郭芝苑の人生の欠片を探し、時代的意義を探索。このほかにも、ポップアップ・コンサート、旧居音楽会、サウンド・トラックの夕べなど各種文化イベントを行い、人々とのコミュニケーションを図りました。郭芝苑旧居保存運動における地域団体と市民の参加は、深耕と権利賦与の過程であり、その最終目的は、台湾の文化が真にこの土地で生まれ、育ち、根を張り、すべての人々に文化を健全に花開かせる力をつけてもらうことにあります。