大自然の幻想的な光と影

 国立伝統芸術センターが財団法人全聯善美文化芸術基金会に運営を委託する宜蘭伝統芸術園区では、文化権の平等を目指すべく、2018年より高齢者、社会的弱者、障がい者、辺境地域などの国内外公益団体を対象に無料で開放しており、園内の参観を通じて伝統芸術の表現芸術、民間芸術、工芸をより理解してもらい、文化へのアクセシビリティを図っています。

 このほか、交通部観光局、社会的企業などと連携し、障がい者にも優しい宜蘭小旅行を企画。香港の目の不自由な若者を宜蘭伝統芸術園区に招き、演劇の口述解説を行ったり、布袋戯の人形を触れてもらったり、目が不自由な人にも台湾の伝統芸術の素晴らしさを伝えました。また、楽山教養院(障がい者施設)、NGO団体の一間二顧公益行銷平台と共同で、違いを共に学ぶ5泊6日のイベント「家で楽しくアート」を開催。楽山教養院の生徒と国語実験国民小学の小学生の計20人がコラーングに参加し、障がい者と緊密かつ長時間共に過ごすことで、社会のより多くの人々の障がい者への理解を深めることを図りました。このプロジェクトは全聯善美文化芸術基金会の職人工房ともタイアップさせ、独特な「職人」文化のエネルギーを取り込み、参加者はコラーニングを通じて創意を刺激されただけでなく、文化権の平等と違いを尊重する種をその心に植え付けたのでした。